転職を考え始めたとき、多くの人が「今の職場がイヤだから」「もっと働きやすいところへ行きたいから」といった理由を思い浮かべます。しかし、勢いだけで職場を変えると、「思っていたのと違った…」というミスマッチに陥ることも。特に病院勤務からクリニックへの転職は、働き方や人間関係、求められるスキルが大きく異なるため、慎重な判断が必要です。
この記事では、転職を考える際に“自分の本音”を見つめ直すためのセルフチェックリストをご紹介します。開業医の立場から見たリアルな視点を交えながら、転職の必要性を一緒に見極めましょう。
転職理由を整理するセルフチェックリスト

以下の質問に、Yes/Noで答えてみてください。
Q1. 今の職場に明確な「我慢の限界」がある
- 例:パワハラ、夜勤負担、過度な残業など
Q2. 今の職場で「変えたい」と思う点を、他の誰かに相談・改善の努力をした
- 「変えたい」と思ったとき、それに対して自分が何か行動を起こしたか?
Q3. 転職によって「何を得たいか」が明確に言語化できる
- 例:「定時で帰れる環境」「人間関係のストレスが少ない職場」など
Q4. 転職後の働き方が、現在のライフスタイルに合っているかを考えた
- 例:日勤のみ・週休2.5日などのクリニックの勤務体制が、自分の家庭状況や健康状態にマッチするか
Q5. 今の職場に“少しでも残りたい気持ち”があるか
- 「本当は人間関係さえ良ければ残りたい」など、改善の余地を見落としていないか
🔍 チェック結果から見えること

単純にYesの数が何個以上ならどうとか、そういうことではありません。大事なのは、現在の職場を辞める理由が具体的で、かつ我慢ならないものかどうか。
辞めたい理由がたった1つでも、具体的な内容で重要度の高いものであれば、それは転職すべきでしょう。しかし、これらの質問を見た時に、具体的なエピソードがなかったり、自分の言葉でわかりやすく人に説明できなかったりする場合は要注意です。
開業医からのひとこと

私はこれまで多くの応募者と面接してきましたが、退職理由を聞くとモゴモゴしてしまったり、ペラペラと流暢に話すけど中身がなく、結局辞める理由がはっきりしない人の多くは、採用したとしても何らかの不満を持つ傾向があります。
一方で、自分なりに「こういう働き方がしたい」と明確な軸を持っている人は、入職後の定着率も高く、クリニックで活躍しています。
転職はゴールではなく、スタートです。 その一歩が「前向きな選択」になるよう、自分の本音をしっかり整理してみましょう。
コメント