病院勤務からクリニック勤務への転職は、環境・働き方・求められる役割の変化が大きく、慎重な判断が必要です。この記事では、後悔しない転職をするために、あらかじめ知っておくべきポイントを解説します。現役院長の視点も交えながら、クリニックならではの特徴や転職後のギャップについて具体的に見ていきましょう。
院長の目から見る「クリニック勤務」とは?
1. 少人数ゆえのチームワーク重視
クリニックは、数人〜十数人規模のスタッフで運営されているところが多く、協調性が何よりも重要です。院長の目から見れば「一人でもチームに悪影響を与える人材は採用したくない」と考えるのが本音です。
2. 幅広い業務をこなす必要がある
病院では明確に分業されていた業務も、クリニックでは複数を兼務することが一般的。医療事務であれば受付、会計、レセプト、雑務。看護師であれば診察補助、検査、時には掃除や在庫管理なども含まれます。
3. スピードと効率が求められる
大病院と違い、限られた人数・設備で多くの患者を診なければならないため、効率的な業務遂行能力が必要です。段取りよく、先回りして動ける人材が歓迎されます。
病院とクリニックの働き方の違い
1. キャリアアップの方向性が異なる
病院では学会発表や専門性の向上が重視されますが、クリニックでは実務能力と患者対応力が評価されます。学びの場としてよりも、「実践の場」としての性格が強くなります。
2. 夜勤はないが「楽」ではない
夜勤や当直がなくなる一方、日中の業務密度は高く、次々と来院する患者に休む間もなく対応する必要があります。体力よりも“段取り力”が問われる環境です。
3. 医師との距離が近い
医師=院長と日常的にやりとりする場面が増えます。指示の意図を正確に理解し、信頼関係を築けるかが非常に大事になります。
院長の本音「こんな人は後悔しやすい」
- 指示待ちタイプの人(自分で考え動けない)
- 決められた仕事しかしたくない人
- スタッフ間のコミュニケーションが苦手な人
- 評価される軸が病院と同じだと思っている人
こうしたタイプの人は、入職後に「思っていたのと違った」「評価されない」と感じてしまい、後悔する傾向があります。
逆に「向いている人」の特徴
- 幅広い業務を楽しめる人
- 患者さんとのコミュニケーションが好きな人
- 状況判断ができて、行動力がある人
- チームの一員として周囲をサポートできる人
こうした人は、クリニックでも早く活躍でき、院長からも信頼されやすくなります。
まとめ|転職の前に“ミスマッチ”を防ごう
病院とクリニックでは「求められる人物像」が異なります。転職する前に、
- 自分はどちらの環境が合っているか?
- なぜクリニックに転職したいのか?
- 院長が求める人材像に近いか?
を冷静に見つめ直すことが大切です。
後悔のない転職を実現するために、自分の希望と職場のニーズを照らし合わせて、納得のいく判断をしましょう。
コメント